日別アーカイブ: 2015年6月8日

残留塩素はポットやボイラーを溶かすのか?

「塩素がたくさん入っている水道水はポットや電気温水器を腐食させるんやで。」
「ボイラーがすぐに故障するのは塩素のせいや。」
「ポットの内側に真っ白に付くのは塩素やで。」
「塩素が入ると臭くて不味い水になるで。」
などと聞きますが、本当ですか?と大勢の人に質問されました。
そこで、塩素のいろいろについてお答えします。
(1)塩素の濃度は法律で決められています。
・水道法第4条で残留塩素(蛇口から出る水で)は
0.1㎎/L~1㎎/L以下と決められています。
ですから塩素は入っていないとダメなんですよ。
・塩素には消毒作用(大腸菌などを殺菌します)と酸化作用(水に溶け込
んでいる鉄やマンガンを酸化し、除去しやすくする。)があります。
・塩素と次亜塩素酸ナトリウムは同じものです。
(2)塩素と塩素臭について
・塩素の注入だけが塩素臭の原因でありません。
注入された塩素は水道水に含まれるアンモニア態窒素と化合した場合
塩素臭が強くなるといわれています。
・市内の地下水の水源はアンモニア態窒素が少ないので塩素臭は強くな
るとは考えにくいとされています。
➡ 東芦田新水源は深井戸であり、その原水ではアンモニア態窒素により
塩素臭が強くなる恐れはありません。
(3)塩素の腐食性について
・残留塩素がポットや電気温水器などを腐食させることはありません。
・ポットの内側に付く白い物質の正体は?
水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分です。
沸騰すると水は蒸発しますが、ミネラル分は蒸発しないでポットの底などに付着
します。しかしこの白い物質は安全性や健康上に何ら問題はありません。
➡ 水質基準を満たした水道水が金属を腐食させることはありません。
(4)塩素とステンレスについて
・残留塩素がステンレスを溶かし、発がん性物質を発生させることはありません。
水道施設に用いられる資材や配管などの材料は、水道法に基づく省令により、
耐食性などの基準が定められています。また家庭用の蛇口や給水器具も同様に
防食に関する基準が定められています。残留塩素によりステンレスが溶け、発が
ん性物質が発生することはありません。
➡ 残留塩素が蛇口などの給水器具のステンレスを溶かすことはありません。
(5)各浄水場の総トリハロメタンについて
・トリハロメタンとは、河川水や湖沼水などに多く含まれる有機物質と塩素が反応
して生成されるものです。よって、東芦田新水源のような深井戸では有機物質の
量が非常に少ないので、トリハロメタンが生成される恐れはありません。
・市内の浄水場の総トリハロメタン量はすべての浄水場で0,05㎎/Lである。
水質基準では0,1㎎/Lなので、すべて大きく下回っています。