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百条調査権の目的とは何か?

百条調査権の目的とは何か

 百条調査権の目的は、警察の捜査と目的を異にする。すなわち、警察の捜査目的は一般的に
犯罪が発生した場合、犯人を検挙することを目的としていると言える。これに対し、百条調査の
目的は、地方公共団体の事務にかかわる範囲で起こった不祥事件等に対し、当該不祥事件等が
発生するに当たっての原因として、当該団体の組織や人事管理に問題がなかったのか、不祥事件等
が起こった背景はどの様なものであるのか、事務の執行が適正に行われていたか、そして今後どの
ようにすればこのような不祥事件等が起こらないような体制を築くことができるのか、つまり、
当該団体として当該事件等の再発防止をするにはどうすればよいのか、について調査することを
目的としている。
 つまり、議会が執行機関とは違う立場から行政の適正執行、再発防止を調査の目的とするから
こそ百条調査の必要性があり、この目的に沿った調査は警察や検察の調査の対象外であり、議会
にしかできないものである。そこにこそ百条調査の意味がある。
                   (出典 廣瀬和彦著 百条調査のハンドブック)

 明日1月24日に百条調査権を付与された「百条委員会」が設置される予定である。今は決議案
の文面で調整中であるが、枝葉末節にこだわり、本来の調査権の大義が議論されていない感じで
ある。少なくとも全員が百条委員会の設置は必要だとの認識だけは持って欲しいものであるが、
「そんなことを急に言われても、すぐに判断できない。相談させてほしい。」などと言うような
議員がいるので、残念です。年が明けてからも、「消防署の不正入札事件」、「水道部のマンガン
水の検査報告書の隠ぺい事件」と立て続けに明らかになっているのに、議会としてどうするのかと
いう危機感がゼロの感覚の議員には猛省を促したい。
 私は、上記の百条調査権の目的を踏まえて、粛々と調査を進めていく覚悟です。